新築の家のお祓いって必要なの?
お祓いの種類や効果、料金の相場を知りたい
家を新築する際や入居する際「お祓いはした方がいいのか?」と迷うことも多いでしょう。
また「そもそも、家のお祓いにはどんな種類があるのか」「料金や費用の相場はどの程度なのか」という点も、気になるところでしょう。
この記事では、これらの疑問や関心にお応えして「家のお祓いの5つの種類」の「意味・効果・料金相場」などの情報をまとめていきます。
「家のお祓いをするべきかどうか迷っている」という方は、ぜひ参考になさってください。
お祓い全般については「お祓いとは?」の記事でも詳しく解説しています。
- お祓いの意味は「罪穢れ(けがれ)災厄を取り除き心身を清浄な状態に立ち返らせる儀式」のこと
- 「毎年の神社の祭事」や「災厄よけのお札」を意味することも
- お祓いをやる意味がある人は、不幸続きの人など
- お祓いをやる意味がない人は、ご利益を信じていない人など
- お祓いと厄祓いの違いは対象年齢が厄年だけかどうか
- お祓いとご祈祷の違いは、ご祈祷は「良いことが起きる」ことを願うこと
神社で行う家のお祓いの5種類一覧
神社にご依頼いただいて行う、家のお祓いの種類の一覧は以下の通りです。
- 家祓(やばらい)
- 地鎮祭
- 上棟祭
- 竣工祭
- 井戸祓い
それぞれのお祓いについて、意味や内容を紹介していきます。
家祓:家に入居する時・運気が気になる時
家祓いは「すでに完成している家に対するお祓い」です。
主に以下の3つのタイミングで行われます。
- 新築の工事が完了して入居する前
- すでに住んでいる家で運気が気になった時
- 中古や賃貸の住宅に引っ越した時
一軒家に対して行うことが多いものですが、マンションやアパートのお部屋や、一棟まるごとに対して行うこともあります。
工事関係以外の家のお祓いは、ほとんどが「家祓に当てはまる」と考えてください。
地鎮祭:工事の着工前
地鎮祭(じちんさい)とは「土木・建築などの工事の着工前前に行うお祓い」のことです。
地鎮祭を行う意味・理由は以下の通りです。
- その土地を守る神様への挨拶
- 工事の安全無事を祈る
- その土地の今後の平安を祈る
つまり「誰のためか?」という点で整理すると「神様・工事業者さん・自分&ご近所さん」となります。
③の「土地の平安」は、自分自身だけでなくご近所さんにも関わる内容であるためです。
①は信仰の自由を考えれば「やらなくても自由」といえますが、②と③を考えると「特別な理由がなければ、行う方が他の方々への気遣いを示せる」とは言えるでしょう。
【参考】地鎮祭とは?|長谷工の住まい
上棟祭:工事の中間(柱建て後)
上棟祭(じょうとうさい)は「家を建てる工事の途中」で行うお祓いです。
柱を建てる作業である「柱建て」が終わった後、屋根を支える木である棟木(むなぎ)を上げる作業である「棟上げ」の前に行います。
行う理由は「工事の安全を祈る」ことと「建物の長寿を祈る」ことです。
上棟のタイミングで行うのは、最も難しく家の耐久性にも大きく影響する作業であるためです。
竣工祭:工事完了時
竣工祭(しゅんこうさい)は「工事が完了した時に行うお祓い」です。
行う目的は「工事完了についての神様への感謝」と「建物の末永い反映を祈る」ものです。
一般的には「地鎮祭をしたなら竣工祭もすることが多い」ものです。
【参考】竣工祭|富山県神社庁
井戸祓い:井戸を掘る時・埋める時
井戸祓いは、井戸を埋める時(解体する時)と、新しく掘る時(造る時)に行います。
目的は、埋める時は「神様への感謝」で、掘る時は「神様への挨拶」です。
特に神様が息をできるように「息抜き」を最初に行いますが、これは「内部で発生するガスを外に逃がす」という、科学的な理由もあり、必須の作業です。
井戸祓いについては『井戸のお祓いとは?」の記事で詳しく解説しています!
新築の家を建てる時のお祓いとは?
新築の家を建てる時のお祓いがどのようなものか、要点をまとめると以下の通りです。
- 工事で「地鎮祭・上棟祭・竣工祭」を行う
- 入居前に『家祓い』を行う
- 地鎮式は行うことが多いが後は自由
それぞれの要点について詳しく解説していきます。
工事で『地鎮式・上棟式・竣工式』を行う
必須ではありませんが、もしお祓いをするのであれば、工事の段階で以下の3つのお祓いを行います。
- 着工前:地鎮祭
- 工事中:上棟祭
- 完了後:竣工祭
地鎮式と竣工式は行うことが一般的ですが、途中の上棟式については、行わないケースも多くあります。
特に都市部や新興住宅地では、上棟式は減少傾向です。
入居前に『家祓い』を行う
工事が完了して入居する段階になったら、家祓い(やばらい)を行います。
新築の家であっても、工事作業中には多くの人が出入りしており、それらの方々が持ち込んだ「穢れ」があります。
工事業者さんがどれだけ良い方々であっても、この世で生きていれば多くの不幸・不条理・不満の気を浴びてしまうため「穢れ」はどうしても付いて回るものです。
それを入居前にしっかり払うことで、竣工式などでは得られない「除霊・浄霊」の効果を得られます。
地鎮祭だけはやっておいた方が良い
家のお祓いのうち最もメジャーなのは地鎮祭ですが、行う割合は世代や地域によって大きく違います。
多い地域では80%程度で、東京など少ない地域ではおおよそ50%程度となります。
40代以上の方々は行うことが多いものの、20代・30代ではやや減少傾向にあります。
しかし、地鎮祭は「職人さんのモチベーションにつながる」「ご近所の方々とのコミュニケーションも円滑になる」という点で行うメリットは多くあります。
これらのメリットについては、後半の「家のお祓いの効果」の段落で詳しく解説します。
家のお祓いの料金相場は?
家のお祓いの料金・費用の相場について、ポイントをまとめると以下の通りです。
- 2万円〜3万円前後が相場
- 安い神社では5,000円からのところもある
- 『階級式』を採用している神社も
2〜3万円というのは、たとえば地鎮祭などの「一つのお祓いをする時の値段」です。
上棟祭なども行う場合は、そうしたお祓い1回につき、この金額が必要になると考えてください。
神社によっては5,000円程度からお祓いをできることもあります。
また、お祓いのグレードによって金額が変わる『階級式』を採用している神社もあります。
家のお祓いは効果がある?やった方が良い3つの理由
家のお祓いについて「効果があるのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。
ここでは、特に新築時の地鎮祭などのお祓いについて、迷信ではなく「リアルな効果」を、以下の通り説明します。
- 職人さんのモチベーションが上がり工事の質がさらに向上する
- 地鎮祭を行う方が近所の方々との付き合うが上手くいく
- 「トラブルに備える人」ほどトラブル自体が起きにくくなる
以下、それぞれの効果・やる意味についての説明です。
職人さんのモチベーションが上がり工事の質がさらに向上する
当然ながら、大工などの職人さんや工事業者さんも「自分たちの安全に配慮してくれる施主」の方がモチベーションが上がるものです。
もちろん、大工さんも業者さんも皆プロの方々なので、どんな現場でも「やるべきことをやる」姿勢は徹底しているでしょう。
しかし、プロであっても人間なので、モチベーションが上がっている時の方が、より良い仕事ができることは当然です。
そのため、もともと高い工事の質をさらに上げて、より丁寧に作業していただける可能性が高いという点で、家のお祓いは有効なのです。
また、地鎮式は職人さんも全員出席されるため、そこで直接顔を合わせて挨拶できる点でも、良い家を建てていただきやすくなります。
地鎮祭を行う方が近所の方々との付き合うが上手くいく
地方に行くほど、年代が上がるほど「地鎮祭をやるのは当然」という意識が強くなります。
また、地域全体でそうではなくとも「そう思っている方々」が一定の割合で存在することは確かです。
そのようなご近所の方々とうまく付き合っていくことを考えると、地鎮祭は「やっておく方が良い」のです。
その後数十年のストレスを減らすことを考えれば「数万円くらい安いもの」という考え方もできるでしょう。
「トラブルに備える人」ほどトラブル自体が起きにくくなる
家のお祓いをする方々は「火災などのトラブルが怖いから」「トラブルが起きた時に、お祓いをしなかったせいだと思いたくないから」という理由を挙げられます。
つまり「トラブルを警戒している」「自分はトラブルに遭うリスクがある」と考えているわけです。
多くの方々が経験で理解できるでしょうが、このような方々こそ「結果的にトラブルが起きずに終わる」ことが多いものです。
たとえば、その「反対の例」として「高齢者の方々ほど自分の技術に自信を持っている」という、有名なデータが挙げられます。
【参考】「高齢者の自動車運転に関する実態と意識」(2021年)についての主な調査結果(抜粋)|MS&ADインターリスク総研(※グラフは当サイト作成)
簡単にいうと、運転が最も危険な80歳以上の方々が「72.0%」という圧倒的に高い割合で「自信がある」と回答しています。
そして、最も運転が安全である30〜59歳で「自信がある」と答えた人は「46.0%」のみです。
20〜29歳 | 39.3 % |
---|---|
30〜59歳 | 46.0 % |
60〜64歳 | 39.3 % |
65〜69歳 | 56.0 % |
70〜74歳 | 59.3 % |
75〜79歳 | 62.7 % |
80歳以上 | 72.0 % |
つまり、80歳以上の方々は、30〜59歳の方々の1.8倍ほど、運転に自信を持っているわけです。
このデータを見ても「危機感がないことが最大の危機である」ことが良くわかるでしょう。
家のお祓いに関していえば、お祓いでも保険でも「不要だと思う自信が、リスクを招き寄せる」わけです。
もちろん「自分は高確率で大丈夫」といえるだけの具体的な対策を、何か打っていれば別です。
しかし、どんな家でもうっかりミスによる火災や漏水などのリスクは常にあるため、ストレスにならない程度に危機感を持ち続けるべきです。
お祓いはその「危機感を持ち続ける意識を、自分の中に浸透させる儀式」としての効果が、実は一番重要ともいえるでしょう。
入居後にする家のお祓いは?
すでに入居した後に行う家のお祓い(家祓)の内容について、要点をまとめると以下の通りです。
- 引っ越した後で不運が続く時に行う
- 玄関や水回りなどを重点的に清める
- 厄除け・お清めとして『盛り塩』を置くこともある
それぞれの要点について詳しく解説していきます。
住み始めた後で不運が続く時に行う
今の家に住み始めた後で、原因がわからない不運が続く時には、家祓いをすることが多いものです。
これは新築後の入居でも、中古住宅の購入や賃貸による引っ越しでも同じです。
「悪い運気を取り払う」というと迷信に感じる方もいるでしょう。
しかし「メンタルの不調をリセットするきっかけ」「脳のシナプスにできてしまった失敗パターンの回路」をリセットするという点では、物理的にも有効です。
玄関や水回りなどを重点的に清める
家祓いでは、玄関や水回りを重点的に清めます。
玄関を清める理由は、外からの悪い気が最も多く入って来る場所・人によって持ち込まれる場所であるためです。
水回りを清める理由は「悪い気が溜まりやすい場所」であるためです。
つまり、入って来る場所が玄関で、溜まる場所が水回り(お風呂・トイレ・台所・洗面所など)といえます。
水回りは実際にカビ・サビ・ヘドロ・漏水などのトラブルが発生しやすく、物理的にも悪い物質が溜まりやすい場所なので、集中的に綺麗にするべき場所です。
厄除け・お清めとして『盛り塩』を置くこともある
必要とする場合は、厄除けやお清めのアイテムとして、玄関に『盛り塩』という「盛った塩」を置くこともあります。
昔から「気に入らない人が帰った後、玄関に塩をまく」という儀式がありますが、その時に使う塩です。
『あなたの体は9割が細菌』という世界的ベストセラーによれば、誰かが短時間滞在しただけでも、その人が持つ「細菌パターン」が、その場所に一定期間残っています。
これが今後DNA捜査のように犯罪捜査にも使われていくということですが、そこに塩を蒔けば、塩に弱い種類の細菌が死滅するなどして、細菌パターンが変わります。
つまり「塩をまく」というのは迷信ではなく、昔の人が本能的に「残された細菌パターン」に気づいていたとも考えられます。
【まとめ】家のお祓いとは?
家のお祓いを行うかどうかは自由ですが、特に地鎮祭については、現状の日本では「多くの地域で行った方が良い」といえます。
金銭的な負担・時間的な負担が厳しい場合などは、もちろん無理してお祓いをする必要はありません。
しかし、お金や時間に一定の余裕があるのであれば「職人さん達に気持ちよく工事をしていただく」「ご近所さん付き合いをよりスムーズにする」という目的で、地鎮祭などは行う方が良いでしょう。
当神社『市谷亀岡八幡宮』でも、家のお祓いのご依頼を常時受け付けておりますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度お気軽にご相談くださいませ。
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