厄年のお祓いって何をするの?
料金の相場や服装のルールを知りたい
歳を重ねていけば、避けて通れない厄年。
厄年になっても全く平気な方もいれば「最近不運や不調が続いているので気になる」という方も多いでしょう。
あるいは「現時点では何も気にならないけど、できるだけ不安要素をなくしたい」と考えている方も多いはずです。
いずれにしても、そのような厄年の不安を取り除く方法の代表が、お祓い(厄祓い)を受けることです。
この記事では、その厄祓いがどのようなものかを「概要・料金・時期・服装」など、あらゆるポイントからご説明していきます
厄年のお祓いに関心を持っている方は、ぜひ参考になさってください!
- 厄年は女性の33歳・男性の42歳がメイン
- お祓いの内容は一般的なご祈祷で20分前後で終わる
- 金額は5,000円〜1万円前後が相場
- 服装は自由だがスーツやワンピースなどがベター
- 受ける時期は厄年の年始〜節分の間が一般的
- ほとんどのルールは自由なので、気軽に受けて問題なし
- 厄年の運勢をより良くしたい方は、ぜひお近くの神社の厄祓いの詳細をチェックしてみてください
厄年のお祓い(厄祓い)とは?
厄年のお祓い(厄祓い)とは「厄年に身についているとされる厄を取り除くための祈願祈祷」のことです。
この意味がよりわかりやすくなるよう、ここでは以下のように内容を分けてご説明します。
- 厄年とは?
- 前厄・本厄・後厄・大厄とは?
- お祓いの内容は?何をする?
- 厄祓いができる場所は?
以下、それぞれの内容の説明です。
厄年とは?
厄年とは「災難が多いので気をつけるべき」とされている年のことです。
陰陽道の説に由来しており、厄とは災厄(悪いできごと)のことです。
女性の厄年は19歳・33歳・37歳・61歳とされています。
男性の厄年は、25歳・42歳・61歳とされています。
これらは正確には「本厄」の年ですが、その意味は次で説明します。
前厄・本厄・後厄・大厄とは?
一般的にいわれている厄年は「本厄」です。
実際の厄年は、本厄の前後1年(前厄・後厄)も含みます。
この「前厄・本厄・後厄」を一覧にすると以下の通りです。
前厄 | 本厄 | 後厄 | |
---|---|---|---|
女性 | 18歳 | 19歳 | 20歳 |
32歳 | 33歳 | 34歳 | |
36歳 | 37歳 | 38歳 | |
60歳 | 61歳 | 62歳 | |
男性 | 23歳 | 24歳 | 25歳 |
41歳 | 42歳 | 43歳 | |
60歳 | 61歳 | 62歳 |
オレンジでマークした「女性33歳・男性42歳」は、最も災厄が多いとされる大厄の年です。
仮に前厄や後厄もすべて厄年とすると、女性は以下の期間が厄年となります。
- 18歳〜20歳
- 32歳〜34歳
- 36歳〜38歳
- 60歳〜62歳
特に30代は「半分以上」ということになってしまいますが、確かに女性の30代はキャリア・婚活・結婚生活などで悩むことが多い年代かもしれません。
男性の場合は、以下の期間が厄年となります。
- 23歳〜25歳
- 41歳〜43歳
- 60歳〜62歳
特に40代の初めは確かに厄を感じやすいかもしれませんが、そもそも男性が40代を超えると「毎年厄年」と感じる人も少なくないでしょう。
男女ともに60歳〜62歳が厄年となるのは、特に気分的に納得できる人が多いと考えられます。
(むしろ60歳こそ本厄ととらえる人も多いかもしれません)
厄年は昔の日本の未発達な医療や栄養の状態を反映しているため、現代の感覚とは少々ズレがあります。
ただ「何かのきっかけで人生を見つめ直す」というのは、厄に限らず良いことといえます。
そのため、厄年もそのようなきっかけの一つと考えていただくと良いでしょう。
お祓いの内容は?何をする?
お祓いの内容は、神社やお寺に参拝し、神職や僧侶にご祈祷をしてもらう、というものです。
たとえば、参拝者の方が何か言葉を唱えるなど、何らかのアクションを要求されることはありません。
「ご祈祷を受けているだけで終わる」ので、難しいことは何もないといえます。
時間は神社・お寺によって異なりますが、おおよそ20分〜30分ほどです。
厄祓いができる場所は?
ご祈祷ができる神社・お寺であればどこでもできます。
呼び名については、お寺では「厄除け」と呼ぶのが主流になっています。
ご祈祷で用いる供物などには多少の違いがありますが、基本的にお祓いの内容はどちらも共通しています。
このため、神社でもお寺でも「ここでお祓いを受けたいと思う場所」を選んでいただくのが良いでしょう。
厄祓いの時期はいつ頃?
厄年のお祓いを行う時期は、一般的には「年始から節分までの間」です。
これは「新暦と旧暦のお正月の間」であるためです。
(現在の節分は、旧暦の元旦に当たります)
新旧の元旦の間で行うのは「年が明けてからできるだけ早い方が良い」ためです。
厄年は「数え年」でカウントするため、1月1日から厄年が始まっています。
早く厄祓いをするほど、その1年間に災厄に遭うリスクが低くなるため、早めの厄祓いが推奨されているわけです。
節分までの1ヶ月という期間があれば、平均的なお休みを取れる方であれば、どこかで厄祓いをできることが多いでしょう。
厄年のお祓い(厄祓い)の料金・金額は?
厄祓いの料金・費用は5,000円〜1万円程度が相場とされています。
神社によっては金額を特に決めておらず「お気持ちで」ということも多くあります。
その場合は5,000円〜1万円の間で、言葉どおり「お気持ち」で決めていただくのが良いでしょう。
当然ながら、神職が「これだけしかくれなかった!」などと不満を持つことはありませんので、本当のお気持ち問題ありません。
厄年のお祓い(厄祓い)の服装は?
厄年のお祓い(厄祓い)での服装・ファッションのポイントをまとめると、以下の通りです。
- 原則自由だが「しっかりした格好」がベター
- 女性の服装:オフィスカジュアルが王道
- 男性の服装:スーツ・ジャケパンスタイルなど
- 経済的に無理をする必要はない
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
原則自由だが「しっかりした格好」がベター
厄年のお祓いで着る服装は基本的に自由で、何を着ていってもかまいません。
ただ、そもそも厄祓いの目的は「人生のトラブルを避ける」ことです。
そして、人生のトラブルを避けるためには「TPOをわきまえた服装」が重要です。
つまり、神社やお寺のためではなく「ご自身のため」に、しっかりした格好を意識していただくのが良いでしょう。
女性の服装:オフィスカジュアルが王道
厄祓いでの女性の服装のポイントをまとめると、以下の通りです。
- オフィスカジュアルが王道
- 露出の多い服装は避ける
- 派手なアクセサリーは避ける
オフィスカジュアルは、スーツやワンピースなどです。
どのような服装でも「真面目なオフィスにいて違和感のないファッション」であれば、すべてベストに近い服装といえます。
露出については、ミニスカート・キャミソール・タンクトップ・ショートパンツなどは避けましょう。
アクセサリーをつけるのであれば小ぶりで上品なものが良く、パールなどの落ち着きのある石がベターとされています。
後ほどあらためて説明しますが、服に関して無理をする必要はないので「今あるもので一番しっかりした服」を選ぶようにしてください。
男性の服装:スーツ・ジャケパンスタイルなど
厄祓いでの男性の服装のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 派手すぎる服装・奇抜な服装は避ける
- だらしない服装も避ける
- 迷ったらスーツ・ジャケパンスタイルがおすすめ
男性は女性と違い「清潔感」が特に重要な要素となります。
(大部分の女性は清潔感のある格好をされていますが、男性は清潔感のない方も少なくないためです)
服装は、たとえば休日にパパが着ているようなトレーナーなどでも全く問題ありません。
しかし、奥さんの服装とのバランスも含め、迷った時はスーツかジャケット&パンツのスタイルをおすすめします。
スーツは、派手なストライプなどが入ったものでない、いわゆる「普通のスーツ」であれば、全てベストといえます。
ジャケパンスタイルは、落ち着いた色のチノパンやスラックスにジャケットを合わせるスタイルがベターといえます。
あえて理想を挙げるなら、という形で書いてきましたが、次の段落で説明する通り「無理して服を買う必要はない」という大前提も理解していただけたらと思います。
経済的に無理をする必要はない
女性・男性それぞれの服装のポイントをまとめてきましたが、最終的には「何でも自由」です。
特に「無理をしてスーツやワンピースなどを買う」といった努力は、まったく必要ありません。
「今持っている服装で一番しっかりしたもの」を着ていれば、ほとんどの日本人の方は何も問題ないといえます。
厄祓いはパーティーとは違うので、フォーマルなおしゃれをする必要は一切ない、と理解してください。
厄年のお祓い(厄祓い)のよくある質問
厄年のお祓い(厄祓い)について、よく見られる質問は以下のようなものです。
- 喪中・忌中でも厄祓いはできる?
- 家族や配偶者が代理で受けることはできる?
- 厄年にやってはいけないことは?
- 厄年のお礼参りとは?やらないといけない?
ここでは、それぞれの質問に対する答えをまとめていきます。
喪中・忌中でも厄祓いはできる?
喪中の場合、厄年のお祓い(厄祓い)は問題なくできます。
逆に忌中の場合はできません。
忌中は神社の境内への立ち入りがタブーとなっているためです。
ただ、忌中の期間は長くても50日です。
そのため、忌明けを迎えてから厄祓いを受ければ、一般的には問題ないといえるでしょう。
ただ、どうしても忌中に厄祓いを受けたいのであれば、お寺の厄除けを受けることも可能です。
お寺でも神社でもどちらでも良く「どうしても急ぐ」という場合は、お寺の厄除けを受けるようにしてください。
家族や配偶者が代理で受けることはできる?
厄年のお祓いは、代理で受けていただくことも可能です。
受けていただくのに必要なのは「ご本人のお名前・生年月日」のみで、特別なものは必要ありません。
ただ、神社やお寺によっては代理での厄祓いを受け付けていないところもあります。
このため、まずは厄祓いを受ける予定の寺社に問い合わせていただくのが良いでしょう。
厄年にやってはいけないことは?
「厄年にやってはいけない」とされていることは「人生の転機になること」や「新しい物事への挑戦」です。
具体的には、以下のような行動が挙げられます。
- 結婚・再婚
- 転職・再就職
- 住宅・マイホームの購入
- 起業・独立
厄年に「やってはいけないこと」が本当にあるとしたら、一応上のような行動となります。
ただ、当然ながら現実を重視すべきであり、特に「起業・独立」については、このようなことを意識しない人の方が成功するでしょう。
また、女性の厄年は33歳が「大厄」でメインといえますが、婚活をしていて33歳で理想のお相手とめぐり逢えたら、当然結婚すべきです。
特にお子さんが欲しいのであれば、33歳と34歳では明らかに33歳の方が有利であるため、医学的には厄年を意識すべきではありません。
転職も「理想のお仕事」が見つかったらすぐに移るべきですし、住宅の「理想の物件」も同様です。
そもそも、人生の転機や新しい挑戦が「明らかに世のため人のため」になることであれば、神様がそれを禁じる理由など何もないでしょう。
そう考えると「転機を迎えてはいけない」というのは、ただの迷信であるといえます。
つまり、厄年にやってはいけないことは「何もない」が本当の答えです。
厄年のお礼参りとは?やらないといけない?
厄年のお礼参りとは「厄年が無事に終わった時に、神社・お寺に参拝すること」です。
目的は「厄年を無事に過ごせたことへの感謝と報告」です。
厄祓いがメインイベントとすれば、お礼参りはフィナーレやエンディングといえます。
お礼参りは必須ではなく「厄祓いをしたらお礼参りもしなければいけない」ということはありません。
逆に「お礼参りだけする」のもOKですし「両方しない」のもOKです。
当たり前ですが「お礼に来なかったから、あいつは厄年延長」などという神様はいません。
ただ、八百万の神様などの存在を信じる方であれば、こうした儀式をきっちりこなすことで、人生をより理想的にコントロールしやすくなる、という効果はあるでしょう。
厄年のお祓い(厄祓い)と似た単語の違い
厄年のお祓い(厄祓い)の類義語として、以下のようなものがあります。
- 厄払い
- 厄除け
- 厄落とし
ここでは、これらの類義語と厄祓いの違いを解説していきます。
厄払い
厄祓いと厄払いは同じ意味で、違いはありません。
ただ、もともとお祓いは「祓」の時を用いるので、正式な書き方は「厄祓い」です。
神社本庁の公式サイトも「厄祓いについて」と「祓」の文字を使っています。
大部分の神社とお寺も「祓」の文字を使いますが、たとえばAll Aboutの記事など、一般の方向けのサイトでは読みやすさを重視して「厄払い」の表記を用いることが多くなっています。
神社やお寺でも、たとえば羽田神社や御宝蔵山 中山寺などは「厄払い」の表記を用いています。
こうして見ると、正式な表記は「厄祓い」であるものの、わかりやすさのために「厄払い」を使うことは、神社やお寺の立場から見ても問題がないといえます。
内容も全く同じなので、神社やお寺を選ぶ際にこの表記で迷う必要はありません。
厄除け
厄除けと厄祓いの一番の違いは「神社かお寺か」という点です。
「厄除け」という言葉を用いるのはお寺が多く、厄祓い(厄払い)という言葉を用いるのは、神社が多くなっています。
たとえばお寺さんのホームページで「お祓い」の文字を入れたい場合「厄除けお祓いについて」という具合に表記する例も見られます。
この表記を見ても「内容や目指すものはお祓いと同じである」「しかし、厄祓いという単語をあえて使わないようにしている」というのがわかるでしょう。
ただ、逆に神社が「厄除け祈願」という具合にホームページで表記する例もあり、さらに言うと「厄祓い・厄除け」と併記する神社も少なくありません。
これらの事例を見ると「お寺か神社か」というのが一番の違いですが「絶対的なルールではない」といえます。
その他、言葉のイメージとしては「厄除け」の方が予防のニュアンスが強くなります。
厄祓いは、すでに自分の中にある厄を「払い落とす」イメージであるため「治療」のニュアンスに近いでしょう。
特に実際に悪いことが続いてから受ける場合は「除ける」より「払う」のイメージが強くなるでしょう。
最終的には好みの問題になるので、好きな方を使いつつ、ご祈祷を受けるお寺・神社の呼び方に合わせていただくのが良いでしょう。
厄落とし
厄落としは、厄祓い(厄払い)と同じ意味です。
たとえばコトバンク(デジタル大辞泉)でも「厄払いに同じ」と書かれています。
goo辞書でも「同じ単語」として扱われています。
goo辞書の説明では「厄払いは『厄介払い』の意味で使われることもある」と書かれています。
このようにわずかな国語的な違いが指摘されていますが、宗教的な意味では、goo辞書も「同じ意味」という定義です。
厄落としについて「自ら災厄を起こすことで、それ以降悪いことが起こらないようにする」という説明もインターネット上で見られます。
このような意味で用いる寺社もゼロとはいえませんが、基本的には珍しいケースだと考えてください。
厄落としに具体的な形があるとすれば「本厄の年の正月や誕生日に、親戚や友人を招いてごちそうをする」というものです。
これは先ほどのコトバンクの「単語の2つ目の意味」にも書かれており、三越伊勢丹でも同じ説明をしています。
【参考】「厄落とし」をしたいときには、どんなやり方がある?| 三越伊勢丹
そして、この「ごちそう」は神社やお寺でふるまうものではなく、ご自宅でふるまうものです。
そう考えると、神社やお寺で「厄落とし」をする場合は、厄祓い(厄払い)と同じ意味だといえます。
「落とす」という言葉は縁起が良くないためか、現状「厄落とし」という表現を使う神社やお寺は少数派となっています。
【まとめ】厄年のお祓い(厄祓い)とは?
当然ながら、厄年のお祓いを受けることは義務ではありません。
そして、たとえば仕事の失敗や病気など、あらゆる災厄を避けるためには「物理的な努力」が必要です。
その物理的な努力とお祓いは一見関係ないようですが「災厄を避けるマインドを高める」という意味では、物理的な効果もあります。
また、そもそも人生は努力ではどうにもならない「運」で左右される部分も多くあります。
その運を味方につけるには、やはり「自分は運が強くなっている」と信じられる根拠が、多ければ多いほど良いでしょう。
厄年のお祓いを受けることは、そのような「運勢が良い根拠」を増やすための努力にもなるといえます。
何にしても、最終的には「ご自身が受けたいと思ったら受けていただく」のが良いでしょう。
厄年のお祓いは、市谷亀岡八幡宮でも毎年多くのご依頼をいただいております。
ご予約の方法など詳細は以下のページでご説明しておりますので、厄祓いにご興味をお持ちの方は、ぜひご一読いただけたらと思います。
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