出世稲荷神社縁起

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御祭神

京都伏見の稲荷大神(宇迦之御魂大神【うがのみたまのかみ】)

歴史

市谷のこの小高い丘は、元々茶ノ木稲荷神社を主神として、多くのお稲荷様が祭られており稲荷山と称されていたといいます。

武蔵国稲荷山大明神縁起という書には、元々此地の稲荷神社に崇敬心厚い、お侍があって、そのお侍の枕元に「自分は伏見の稲荷大神じゃ」と現われ、「これまで以上に幣帛を奉り日参されよ」と言い残し夢から覚めたところ、誠に不思議な夢だと喜びまた畏まって夢のお告げの通り、自ら日参し出仕の日には家来を代参させたところ、とんとん拍子に出世して、とうとう大名になったと実名入りの記載があり、その後も出世の大明神よと私財を投じ此地に祀り、参拝を欠かさなかったとされており、その縁起より出世の社号をもつ稲荷神社になったのです。

従って、此稲荷山にあって祀られていた多くのお稲荷様の一社であり、話では江戸時代初めのことといわれています。また千葉の成田山新勝寺に鎮座している出世稲荷神社は、当社の御分霊を祀ったものであると言われています。